思うこと

存在と所有ー『月のとびら』を読んで、新たな思想が展開した話

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 図書カードをつくったので週に1回、図書館に通うのが最近の習慣になっている。

少し前に石井ゆかりさんの『月のとびら』を読んだ。

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占いとの向き合い方について月をテーマに書かれた著書。

「父が死んだのは、自分が不運だからだ」という話題から、生と死、所有について触れる彼女の思想にただ静かに頷いていた。

 死は誰かを「うしなう」ものではないし、そもそも誰かを所有することなんて最初からできないんだということ。

その人だけのものであって、私たち他人の「運」でどうこう言えるものではない。

どんなに愛していても、血が繋がっていても、その人は「誰かその人以外の人のもの」には、ならないのです。

ー石井ゆかり『月のとびら』より

パートナーシップにおいて、これを忘れてしまうとこじらせるんだろうな。

近すぎると尚更で、無意識に自分の価値観や理想を押し付けてしまう。

大切な人に生きていてほしいと願うのは、単なるエゴなのかもしれない。

生きているという事実が幸せとは限らないし、死がもたらすのは悲しみや苦しみではないのかもしれない。

そして同じように、その人の死が「不運」だったかどうかも、その人自身にしかわからない。

私たちにできることはただ、その人が「生きていた」ことを、大切にすることだけなのだと思います。

ー石井ゆかり『月のとびら』より

 私たちはいつもあたりまえの暮らしが崩れたときばかり注目してしまう。

すでにある素晴らしいものの存在はどこかに忘れて。

分単位で毎日同じ時刻に到着する電車。

タッチするだけで使える電子マネー。

絶え間なく働く全身の細胞や栄養と酸素を運ぶ血液。

隣で笑ってくれる大切な友人やパートナー。

この世界に存在している間に、愛と感謝を言葉にして伝えていこう。

いま共に「生きている」ことを大切にしていこう。

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