情報量の多い東京での暮らしは無意識のうちに頭を使って考えて、心で感じることを忘れがち。
今回はデンマークの自然にたくさん触れてとっても大切なものを思い出したお話。
看板や広告が少ない
東京は便利になりすぎて目の前の情報量がとにかく多い。
スーパーに行けばお得情報のアナウンスとスーパーならではのBGM。
レジの自動釣り銭機は丁寧に「いらっしゃいませ」と声をかけてくれるし、操作方法まで教えてくれる。
街中の駅構内では乗り換え案内の掲示板や各企業の大きな広告。
そういえば・・・
ちょっと買い物に行くだけでもいつもイヤホンをつけたままだったなぁ、私。
今まで当たり前すぎて改めて考えることもなかったけど、無意識に外の音や情報を遮断していたのかもしれない。
デンマークではスーパーは無音だし、自動釣り銭機も喋らない。
日本のように電車内に脱毛の広告や、路線図もない。
道路上に電光掲示板もなければ標識も必要最低限。
でも困った時には運転手さんや近くの人、スタッフに声をかければみんな優しく教えてくれる。
干渉しすぎず、少し離れたところで見守ってくれて困っているときには静かに微笑んで手を貸してくれる。
(もちろん、自分も含めて)困っている人を横目に知らない顔して通り過ぎてしまっていないだろうか。
誰かに手を差し伸べる余裕もないほど、何に追われているんだろう。
仕事?時間?ストレス?
大切な愛情まで失われてしまうことがなければいいなぁ。
時間とともに移り変わる景色
一夏を過ごしたデンマークの田舎町には必要以上に視界に映り込む情報がない。
太陽や月、自然の要素から時間や季節を感じることが多くなった。
朝の静寂
少し早起きをした朝は、美しい静寂に包まれて優雅な朝ごはん。
聞こえるのは鳥の鳴き声と波、風の音だけ。
この空間で朝の瞑想をしていると自然や地球とのつながりを感じて
「あぁ。地球ってこんなに美しいんだ。」
ととっても幸せな気持ちで溢れる。
ぽかぽかなお昼
太陽との距離を一番近く感じるのがお昼の時間帯。
夏の晴れた日は外に出て、全身で太陽の光を浴びながらゆっくりみんなでご飯。
1日の中で四季を味わえると言われているほどお天気が変わりやすいデンマークでは貴重な晴れの時間がとっても大事。
ここぞとばかりにみんなで外に出て日光浴を楽しむ。
そして雨上がりには見たことのないほど大きな虹に遭遇することも。
満点の星空と流れ星
視界を遮るものがなくうっとりするほど美しい夜空
こんな景色プラネタリウムでしか見たことなくて
誰かの手でつくられたものではなくて、自然なんだ、本物なんだ!
じんわりと感動が全身に行き渡るのを感じた。
自分たちの足音しか聞こえないほど、静かな夜。
大好きなみんなと一緒に眺めた星空はきっとこの先も忘れないんだろうなぁ。
この地球は美しいと本気で思えてしまうほど、純粋な心を取り戻していった気がする。
感性が磨かれて大好きだったものを思い出した
ふと目の前の景色を収めようとカメラのシャッターを切ると、こんな景色が広がる。
心で感じることができる余白。
自由に感じて受け取っていい。心が震えた、その感覚がすべて。
デンマークの小さな港町で “昔大好きだったもの” をたくさん思い出した。
そして同時にいつの頃からか自分の好きなものに対して
自信をもって「私がこれが好き!」と言えなくなってしまった自分にも出会った。
大人になるにつれて周りの人と比較して
人に「これが好き」と伝えるにはある程度その分野に精通していないといけない。
と思うようになっていたのかもしれないな。
大好きなものに理由なんてなくていいし
心で感じたこの温かい思いがあれば、それでいい。
たとえ人に上手に伝えることができなくても、私の心が動いた瞬間をもっと大切にしていきたい。