今回はイギリス政府公認『読書セラピー(Bibliotherapy)』について紹介していきます。
「休日でも仕事のことを考えて憂うつな気持ちになってしまう」
「朝起きて仕事に行かなければいけないならこのまま眠らなければいい」
と感じる日々が続き、私自身も仕事をお休みしていたことがありました。
そして不思議なことにその時から苦手なはずの読書が大好きになりました。
読書セラピーとは
読書セラピー・Bibliotherapyとは
イギリス政府公認の心を整える新しい読書法
読書はうつ病治療にも取り入れられているほどストレスレベルを下げる効果がある
読書カウンセリング、読書心理学、読書教育、読書指導、図書療法、読書予防法、指導的集団療法、文学療法など様々な言い方で表現することができます。
心のケアだけでなく子どもの教育課程や高齢者まで幅広い場面で活用されています。
具体的には何をするの?
- ひとりで本を読み進めていく
- カウンセリング×読書セラピー
- 読書会に参加してグループで読書をする
効果
- 自分自身を深く知ることができる
- 集中力の向上
- 他者への思いやりを持てる
自分の人生では経験したことのない出来事を体感したり、実際に会うことのできない著名人の考え方や捉え方を知ることで想像力が豊かになり、自分の経験や感情を照らし合わせて自己理解にもつながります。
読書を通じて感情的な反応を引き出す際、ネガティブなものも含めて引き出してみていくことで、そういう感情を持つことは弱いからではなく正当なことなのだと認められるようになるます。
「心と体がラクになる読書セラピー」寺田真理子
導入されている場面
- ダイエット
- 非行少年の更生のため
- 認知症改善のため老人ホームで実施
- うつ病治療
- 依存症から抜け出すため(アルコール・タバコ・薬物など)
読書セラピーの歴史
歴史・背景
その歴史は古代から。
1930年 アメリカのある兄弟の研究がきっかけ
兄Karl A. Menninger氏の著書「The Human Mind」にて
メンタルヘルスの問題に対して読書が活用されいること・その影響について発表された。
世界中で導入されている
読書セラピーは世界中で取り入れられており、各国でどのように導入されているのか紹介していきます。
【アメリカ】
うつ症状の見られる人に治療の一環として、カウンセラーから本を読むことを宿題として出されることもある。
【イギリス】
イギリスの一部の州は心療内科や精神科を受診した際に「薬の処方」だけでなく、「本を処方」する。
医師から地元の図書館に連絡し、司書(読書セラピスト)が患者の症状やこれまでの読書歴を聞いたうえで本を処方する取り組みが広まっている。
【イスラエル】
イスラエルでは読書療法家(読書セラピスト)は国家資格
文学や心理学・統計学まで学ぶ必要があり、精神科医の薬物療法で効果がなく・改善が見られない場合の終兵器として読書療法家が頼りにされている。
日本での認知度は低い
アメリカやヨーロッパなど世界各国での研究や活用は進んでいる!
しかし日本での認知度はまだまだ低く、一般的には馴染みがなく少年院や刑務所での事例が多いのだそう。
日本では「心と体がラクになる読書セラピー」の著者 寺田真理子さんが代表として取り上げることができます。
ご自身もうつ病の経験があり、日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー/日本読書療法学会会長をされている方。
「読書セラピスト」になるために資格は必要?
日本では読書セラピストになるための特別な資格は不要
日本読書療法学会でも資格は付与していない
(資格を取ることだけが目標になってしまうのは意味がないためとのこと)
相当なトレーニングと幅広い分野についての学習が必要で
資格があるからと言って読書セラピストとして活動できるほど単純ではない
ということがわかってきたのだという。
読書セラピーを取り入れるために今すぐできる3つの行動
もっと「読書セラピー」について知りたい!
そんなあなたにできる3つのことをご紹介します。
①寺田真理子さんの本を読む
私が「読書セラピー/読書療法」を知るきっかけとなった本
この本では最後に本の選び方やシチュエーションごとにおすすめの本を紹介してくれています。
そのほかにも
などKindleだと無料で読めるものもあるのでぜひ読んでみてください。
②日本読書療法学会の会員になる
日本読書療法学会公式HPから会員になることができます。
会員費:無料
社会に役に立てればということでできる限り無償で情報の公開・提供をしている
会員になることでセミナーや勉強会のお知らせなども定期的に届きます。
③読書習慣を生活に取り入れる
読書会に参加してみる
一人だとなかなか読書ができないという方は読書会に参加してみるのもいいかもしれません。
noteやInstagram、Facebookなどで気軽にコミュニティを見つけることができます。
友人と「朝活×読書」
知らない人がたくさんいるのはハードルが高いなぁ…という人は身近な友人と「朝活×読書」の習慣をつくるのがおすすめ!
カフェで友人と待ち合わせをして
45分間は各々持参した本を読み進める
終了後はみんなで一緒にコーヒーを飲みながら朝食タイム
朝から大切な友達と一緒に1つ目標をやり遂げることで気持ちよく1日をスタートすることができてます。
毎日15分間の読書タイム
移動時間や朝・寝る前の15分間に読書をすることで思考がクリアに
仕事や友人のこと、追われているタスクなどを少しの間忘れて何かに没頭することでリフレッシュすることができます。
少しでも心地いい暮らしを送ることができるようにもっと「読書セラピー」という文化が日本に広まることを願っています。
「心と体がラクになる読書セラピー」寺田 真理子
日本読書療法学会公式HP