星読みで有名な石井ゆかりさん。
ロングセラーになった『愛する人に。』の続編として出しているのが『愛する力。』。
「恋愛本つくりましょう!」と編集者さんに言われて書いたシリーズらしい。
でも読み始めてみるとただ恋愛だけに特化した本ではなさそう・・・!
「恋」という言葉では収まりきらない自分や大切な人との関係性、そこに存在する愛について考えさせられることがたくさんあった。
「健康」は絶対に「幸福」か。
ここ数年はアーユルヴェーダに触れたり、植物療法の勉強をしたり。
健康的な生活習慣や人間の体の仕組みについて学んでいるし、私なりにたくさん考えている。
その過程の中で「心と体の健康はつながっている」と体感したばかりだったので、この一文を見てハッとした。
「健康」は絶対に「幸福」か。
ー石井ゆかり『愛する力。』より
・・・ほえ?違うの?
私自身、今まで何度か入院したこともあるし
女性の体って本当に繊細で不安定で、月の中で7日間も絶好調な日があるかないか。
不定愁訴だらけで常にどこかかゆいし痛いし。
日々のゆらぎによって周りの人が羨ましく見えたり、時にはケガや病気が原因で悔しい思いをしたり。
「神様はきっと私にだけ大切な部品をつけるのを忘れてしまったんだ」と思ってしまったこともあったなぁ。
だからこそ健康で不調がない状態でいられたらどんなに幸せなんだろう!と、私の中で「健康」と「幸せ」はイコールになっていた。
この人は、自分が丈夫であるために、風邪を引いて休むことを「怠慢」と捉えていました。
「やる気があれば耐えられる」というのです。
ー石井ゆかり『愛する力。』より
石井ゆかりさんが以前会社勤めをしていたときに出会った体の丈夫な上司のお話。
その人は何不自由ない健康に恵まれた生活を送っていたのかもしれないし
もしかしたら反対に、血の滲むような努力をして大病と向き合いながら毎日過ごしているのかもしれない。
だから体調不良で仕事を休むことを「甘え」と捉えていた・・・のかも。
今でこそ大事をとって休むという考え方が浸透しつつあるけど
私の学生時代もインフルエンザやノロウイルスになることも許されなかったなぁ。
部活の顧問の先生に「健康管理ができていない」と怒られるどころか、「体調を崩す奴なんて戦力外だ」と呆れられていた。
(大前提として当時の顧問は心から尊敬する恩師)
本番で力を発揮するための体づくりの一環として、厳しい指導をして下さっていたことはもちろん理解しているんだけどね。
健康に暮らしていても、他人の痛みを想像して寄り添うことができない人もいれば
たとえ病に侵されていたとしても「自分は世界一の幸せ者だ」と感じている人もいる。
そんなことを考えながら、「健康」と「幸せ」をイコールにしてしまうのはなんて独りよがりな思想なんだろうと反省した。
自分自身とのつながり=他者との関係性
「病人」という、特別ななにかに「なって」しまっているわけではなく、病気になっても、「自分が自分である」ということは、ずっと続いています。
ー石井ゆかり『愛する力。』より
病気になっても、なっていなくても私は私。
体調や感情、思想と向き合って自分を深めていくことって、他者と自分の関係性を築いていくことと同じなのかもしれないなぁって。
「傾聴」という言葉があるけど、この言葉を自分のために使ったことはあったかな?とふと思った。
他者の話をじっくり時間をかけて聴くことはあっても自分の本音や心の声に真摯に向き合う機会はほとんどない気がする。
“自分と他者と” とつい外に意識が向きがちだけど、まずは自分との対話。
感覚を研ぎ澄まして心と体の声に耳を傾けてみる。
自分にたっぷり愛情をかけて、日々のゆらぎと伴走していく。
持って生まれたこの体に寄り添って温かく見守ってあげる。
そういうことにもう少し時間と愛情をかけていけたらいいなぁ。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
どうか心穏やかな一日を過ごしていますように。
『愛する力。』石井ゆかり
【幻冬舎コミックス出版】