小さなしあわせ

デンマークで見つけた小さなしあわせ:No.5『できない自分を認める勇気』

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 今までは何も取り柄がない自分や役に立たない自分が嫌いで

何に対しても「とにかく成果を出さなければいけない。」「死ぬ気で努力しないと認めてもらえない。」と自分自身に息が詰まるほどのプレッシャーをかけていました。

今回はデンマークでの生活を通して”完璧じゃない自分を認める勇気”をもらったお話。

初めて”完璧じゃない自分”を認めてあげられた瞬間

自己紹介のプレゼンテーション

 私の中の大きな壁を壊せた出来事。

クラスメイトの前で自己紹介のプレゼンテーションをした時でした。

学校の授業が始まって数日たったある日。

「みんなに自己紹介してもらうよー」と資料が配られた。

しかも「このあと2時間後に発表してもらうから今から各自作業始めてねー」と。

・・・ぇえ!2時間後!?このあと?

日本だったら「来週発表会をするから各自準備しておくように」と余裕を持って事前に知らされるのに!今回はまさかの2時間後!!

完全に日本での当たり前が定着していた私は一人で静かに焦りまくっていた。

うーん。何を伝えよう。どんなデザインにしよう。

まずは内容を構成して、写真を選んで、スライド作って…

とせかせか取り組んでいたけれど、結局まとめきれないまま作業時間は終了。

 そしてあっという間に発表会の時間。

1人目、2人目、と素敵な自己紹介が終わっていく中、「次発表したい人ー?」と3人目の発表者の順番。

どうせ完成していないなら早めにやってしまえ!と勇気を出して立候補。

・・・今振り返っても自分でもなんでこの時に手をあげたのかは正直わからない。

でもなぜかこの時の私はいい意味でふりきれていて、勢いのまま未完成のパワポを使って自己紹介をすることに。

もちろん構成はまとまっていないし、写真を見せる順番も決まっていない。

正直グダグダの発表だったのにみんな大袈裟なくらい褒めてくれた。

「すごいね!素敵だね!」って。

この瞬間、ずっと自分の中にあった大きな壁を壊せた気がした。

いつもなら当日の朝まで何度も修正して練習して、きっちり時間をはかって入念に準備をしてから発表するほどの超心配性。

発表後も「うわぁ。全然ダメだったなぁ。最悪。」と落ち込むことしかなかった私。

それでもこの時は「やってよかった!」ととっても温かいほっとした気持ちでいっぱいになった。

自分自身にかけていたプレッシャー

 小さい頃から心の中にあった「日本は生きづらいなぁ」「ここじゃないどこか遠くへいきたい」という思い。

社会人になってからも「周りの期待に応えなきゃ」とできない自分を補うことに必死で、人と比べて苦しくなって永遠に満たされないループ。

これもデンマークで過ごしているうちに

日本や文化、言語だけが要因ではないかもしれないぞ?

“強くなければいけない” という自分自身へのプレッシャーが生きづらくしていたのかも。

と思うようになっていった。

フォルケ留学だからこそ自分をさらけ出せた

 フォルケホイスコーレは成績もつかなければ、試験もない。

だからこそ周りの評価を気にしたり、自分をよく見せる必要がなかった。

共通の友達もいなければ、お互いの年齢もバックグラウンドも気にせず、

今目の前にいるこの人と心から向き合う。

対話を通して本来の自分を知る。

いい成績を取るために質問するのではなく、自分の理解や興味を深めたいから質問する。

いつもより、もっともっと深いところで人と関わる。

フォルケホイスコーレ留学だからこそできた経験だなぁと改めて思う。

>>「デンマーク【フォルケホイスコーレで学ぶ】アーユルヴェーダって?」

デンマークだから出会えた友人たち

 先入観で申し訳ないのですが・・・

留学というと ”気が強くてハッキリ自己主張できる人” “自立してたくましくなって帰ってくる”というイメージを持っていました。

でもフォルケ留学中に出会った友人たちはとても穏やかで心優しい、温かいほっこりした愛の持ち主。

確かに、海外での生活は慣れない環境でひとりで解決しなければいけないことはたくさんあるし、日本で生活しているときよりも常に気を張っていなくてはいけないこともある。

だけどみんな少し離れたところで見守ってくれていて、困った時は静かに温かい手を差し伸べてくれました。

そんな素敵な友人たちとの共同生活だからこそ、無理せずありのままの自分でいることができた。

大好きな言葉:Thanks for sharing.

 フォルケホイスコーレ生活でよく聞こえてきた大好きな言葉

「Thanks for sharing.」

日本語にすると「伝えてくれてありがとう。」「その気持ちを共有してくれてありがとう。」といった意味合いで使われるこの言葉。

ちょっとした日常のハッピーな出来事があったときも、

過去の辛かったできごとや未来に対する不安についてみんなで話しているときも

たとえ本人が言語化できていない複雑な感情だったとしても

「まずは話してくれてありがとう。」と温かい心で受け入れてくれる。

こんなほっこりする言葉が飛び交う愛溢れる毎日でした。

「手伝ってほしい」「助けて」と伝える事が大切

 この数ヶ月で気づいた大事なことは

“できない自分を自分自身が認めてあげる” こと。

そして完璧な自分でいるために弱音を吐かずに一人で頑張るよりも

「自分はこれができなくて困っているから助けてほしいんだ」と伝えられること。

周りの人を頼ることの方が何百倍も大切。

デンマークで出会った大好きな友人たちは “完璧じゃない自分を認める” 勇気をくれました。